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臓物大展覧会 09/06/29 Mon.

 その日、私の中の表象現実から味覚のクオリアが消えた。

 まあ、夏風邪のせいだとは思うんだけど。鼻は詰まってないのになあ。

 とりあえず味が関係無くなったからということで、ビールのつまみを食パンにしてみた。安くて量があるもの。麦掛けることの麦。新規だ。
 ビールの苦味のクオリアは消えたにもかかわらず、「飲んだ直後の口の中の味をつまみの味で中和しようとする」みたいなリズムはなんとなく依然として存在している。反射行動のレベルに立つ限り、クオリアは人間の行動を決定するのにまったく必要のない要素だ。いや、「ほとんど必要ない」というべきだろうか。
 不思議だ。この世には不思議が多い。


 夢の中で、舞城王太郎の「好き好き大好き超愛してる。」がドラマCD化されておりまして。ヒロインの柿緒は水樹奈々という設定でした。
 夢ながら悪くない企画だと思った。


 感想ズ。

 EDENを全巻通読しました。一生続く漫画だと勝手に思っていたのでこんな日が来ようとは望外の喜びで御座います。でもまあ最終巻が出たのは去年なので、ようやく読めたよというのもある。

 だがしかしやっぱり、序盤の話のほうが面白いんだよなあ。特に第一話。ギミックの出し方とか見せ場の作り方とか直接2話につながっていかないところとか、独立した短編として評価するべきな趣きのつくり。4巻くらいまでの話でも、ケンジ、ソフィア、ワイクリフ、カチュアら主要キャラの過去エピソードは短編として取り出せるようなつくりになってる。もちろんキャラ造形の厚みを増す用は成しているんですが、作者は根が短編志向なんだなと思うのは私だけではないハズ。
 こうして最終巻を読んで、全体の構成を俯瞰し終えた後だと特に。結局この話の主人公エンノイアじゃねえか。親父に始まり、親父に終わる。世界に対し無力感を覚えた少年の成長物語、的なエッセンスはあんまり生きてこないままに。別にまあ長期連載作品の路線が行ったり来たりして定まらないことをとりわけ批難する気になってるわけではありませんが、短編で輝ける人なだけに長編だとそこが特別アラに見えるのではというのはあります。短篇集3を出す気はないのでしょうか?やはり商業的には厳しいのか。嗚呼。気付いたら1巻が出てたオールラウンダー廻はちょっと読む気になれない。

 SF的な切り口で話題を広げてみよう。連載開始時の近況で作者自ら「SFはディックとバラードくらいしか読んだことのない門外漢」だと書いており、えらくビックリした。どう見てもディックとバラードは入ってないから。でも連載中に結構色々手を伸ばして勉強してたんだろうなというのはすごく分かる。攻殻機動隊(メカデザイン等においてはかなり影響過多な元ネタの一つだろう)では攻性防壁だったモノに、攻殻のさらに元ネタである『ニューロマンサー』のICEという名称が使われてることとか。精神が肉体からフィードバックを受けていないと存続できないとか、AIのフレーム問題とかもワリと90年代のロボットSFにとって普遍的な問題意識。ギミックの出し方が上手いからこのへんはスッと頭に入ってきますよね。
 でもその点量子テレポーテーションは……何だったんだろうな。パッと出してみただけで何も生きてこなかったネタ。もちろん別に全てのギミックがテーマに収束する必要なんてないわけだけど、それにしたってあの辺り迷走し過ぎじゃないか、とり。いや迷走云々を言えばあのオチに持っていくためにどれだけの話が必要だったのかって…………この話はもういいや。量子テレポーテーションが出てくるSFってそんなにないですね。完全に理論がSFを2周分くらい追い越してしまった感があるからなんだろうか。
 ディスクロージャーウィルス。明かに『ブラッド・ミュージック』のバイオスケープ。情報科学的に宇宙を認識するところまでまんま。集合意識とか個の消失という方向にグングン話が進んでいって、ここで多くの読者がエヴァの人類補完計画を連想するようなのですが、エヴァ‐EDENってネタの系譜的には親子というより兄弟だと思う。元ネタとの位置関係的に。
 まあ、エヴァンゲリオンをSF的文脈で解釈したことってないんですけど私は。

 グダグダの列挙感想になってきた。まあまとめると、細かいギミックとか描き込みとかで無限に楽しめるけど、大きな話の流れ的にはどうなの!!?って感じ。まとめすぎやもしれんが。

 最後にもう1つだけ。観測可能な宇宙の領域が膨張しているのは慣性によるものだと勝手に思い込んでいたので、膨張減速現象に対する作中の説明がどの程度筋の通ったものなのかよく分かりません。識者の考証が聞きたいところです。「第二インフレーション理論」は……創作だと思ってたけどそういうのもあるのか。うーむ。


 永野護のCDをゲットしました。アルバム名はまんま「The Five Star Stories」。嫁の川村万梨亜が一部ヴォーカル入れてたりする。
 ギターの演奏技術とか曲の良し悪しはよく分からんのですが、荘厳な曲調はああ、まさにファイブスターだ、ああ、まさにファイブスターだ、と思いました。


 二倍速再生けいおんの違和感の無さにただただ瞠目。どんだけ頭の回転が鈍いキャラのセリフで間を取るメソッドが貫徹していたんだ。
 ええと、とりあえず、きららは当分アニメ化の材料に困らないみたいですね。


 ディスコ探偵水曜日(上巻)。読んだ。…………すげぇ。
 何が凄いって、「一般的な物語はこういうストーリィの進め方に従う」というようなルールの一切を完膚なきまでに破壊しているところが。といって全くの支離滅裂な進行というわけでもなく、奇妙な筋の通り方をしている。『九十九十九』は正直ただ支離滅裂な方だったと思うけれど、ここにきて舞城メソッドは完成を見たといってしまえるのではないか。もう一回言う。ただすげぇ。

 いや公平のために言っておくと『九十九十九』も結構好き。終わり方とか。

前哨 09/06/23 Tue.

CV平松晶子

 単位を保障するプレゼンを終えて、酒が美味いワケです。

 入学以来ずーーーーーっとギリギリの通過のみを旨とする低空飛行を続けて、進学の折りにも研究分野なんてとてもじゃないけど決める気にはなれなかったから概論っぽいことをやれそうな専攻を選択して、そんな心持ちで半年+1年余り過ごしたところで確たる意志で研究分野を選べるはずなどなくえいやっっっと最も楽ができそうな分野を選ぶことしか頭になかったわけで、そういう生き方の果てにある今ついにようやく追い詰められて勉学のモチベーションが上がってきています。プレゼンも、日本語の語彙が上手く選べないことを除けばそんなに酷くなかった(と思う)し。
 しかしまあ思うわけです。最初期のモチベーションが似たようなものであったとしてももっと早く専攻を決定してそこに打ち込んできた同年齢の仮想的な誰かとの差は、当分埋めがたいものになっているのではないか、と。なんのために多少背伸びしてまでいい大学に入ったのだろうね?


 コッペとBB団(ファミ通文庫)、を買った。文体しんどい。合わない。ラノベの絵師買いはもうしないことをここに誓います。
 なんか文体以前の内容の問題もあるような気はするけど文体がアレ過ぎてそこを意識的に評価できる地点まで行き着けない。

 文体の話になったので(自動筆記で)、『好きな小説家の文体』の話にでもするぜ。ちなみに『≒好きな小説家』の話です。

 やはり1は神林長平。この人の文体は「無機的」っていうのが一番合ってると思う。北野勇作も似てる(と思う)けど、基本的にいついかなる時も常に同じ話を書く北野勇作と比して、神林は「限界まで圧縮すればいつも同じ内容を言ってるんだけど、細やかな表現方法や世界観が常に違い、『どう書くか』を意識し続けている」点が独特。唯一無二。北野勇作も最高傑作の『かめくん』なんかは、神林長平の雪風シリーズにも匹敵する傑作だと思うんだけどなあ。
 2は、色々いるような気もするけど、今は舞城王太郎。オタクってランキング好きだよなあ。まあいいや。この人はとにかく威圧感のようなものがある。具体的に言えばジョジョの絵柄が威圧感があるのと同じ意味で文体に威圧感がある。「文圧」というのはよく言ったもので、とにかくなんかスゴいから読まされてしまうわけだ。その文体のノリのよさを、最初に『煙か土か食い物』を読んだときは「ラノベっぽいなあコレ」と思ったりしたのだが、うむやはりこれは決定的に違う。と思ったのは『暗闇の中で子供』読了時。要するに、この人の小説は、「この小説を構成している“文章”とは一体何なのだ」、という果てしなく非エンターテイメント的(≒たぶん純文学的、というあやふやな理解)なテーマを内包しており、それを達成するためのこの文体なのだなあ、というのが妙にシックリきた。最新作の『ディスコ探偵水曜日』はまだ読めてないけど、そういうテーマも継承しているらしいから近いうちに絶対買う。

 で、うん、まあ、今日は最近流行ってるラノベの文体(と内容)なんて全部こんなモノかのう、と思いながら本を閉じたわけですが、今月の前半に読んだって自分で日記に書いてる『サクラダリセット』は悪くなかったです。珍しく乾いた印象を与える文体。乙一(読んだことないんだけど)が褒めるだけのことはあるぜ、って感じ。

 でもまあ、流行りの最新作にアンテナを伸ばすよりはジャンル小説の古典を漁ることになる日々がまだまだまだまだ続きそうです。所詮、そうやってるほうが自分の地に馴染んでるんだから仕方ない。

グレイト・ギャツビー 09/06/18 Thur.

 テルマエ・ロマエが載っている号のビームほどうれしい雑誌はそうはありません。fellowsも勢いはあるけど、テルマエ・ロマエのような奥ゆかしいギャグがない点だけは不満です。

 fellowsといえばこのweb漫画面白い。

 雑誌で漫画を読むのは、好きなんですが、「特に好きな漫画に限っては単行本でまとめて読んだ方が面白い」という説に押され気味で長らくそんなに買わない時期が続いていました。近ごろは雑誌を読みたい気分になった時に散発的に買います。


 釣り針の長さと数についての議論、あるいは媚の売り方・処世術について。

初音ミク

 まあ他人の絵柄を丸パクリするのが早いだろうと結論し申しました。ペン入れした時点でオリジナルとは似ても似つかない微妙な何者かになるんだけどまあそれはそれとしていつもと違うことをやってみるってのも中々に興味深い。


レス

 >TRPGとかPBMとかそう言う問題じゃなくて、どのジャンル見渡してもSFが流行ってない現実を見るに文化的土壌がSFに向いていないと以前人と話したことがあります。
 >そして残念ながらPBMはともかくTRPGプレイヤーの嗜好がライトノベルの作風にまで影響力を与えているとは言い難いです。京大SF研を創設した安田均なんかに顕著ですが、TRPGプレイヤーとSFは密接な繋がりがあります。
 >元々アメリカから渡ってきた趣味というのもありますし、原型となったシミュレーションとSFの相性が良かったと言うのもあります。現に最初に日本語に翻訳されたTRPGはトラベラーというSF物です。それでも根付かなかったところを見るに、SFは一般受けしなかったと言うのが真相ではないかな、と。
 >まぁ、ぶっちゃけ流行っているアメリカが特異で、冷戦期の宇宙開発競争熱の影響で市場が開拓されちゃっただけじゃないんでしょうか。


 うーーん。TRPGもその背景もよく分かんない私なんかからすると、ものは言いようだなあという感じがしますが。とりあえずこの話題は私のSF概念の応用範囲を越えているのでパスで。

 >そしてついでにPBMの方にも言及するならば、PBMといえば遊演体のN88や蓬莱学園が有名ですが、「星空までは何マイル?」や「クレギオン」シリーズといったSF物もあります。総作品数が少ないので比率だけで言えばラノベよりも高いぐらいでしょう。別にPBMプレイヤーもSFは嫌いじゃなかったりします。

 野尻抱介のクレギオンは名作。優れたノベライズはだいたい元のメディアがどんなだか想像しづらいものですが、野尻抱介の文体の問題もありとくにその度合いが強いと思います。でも名作。

アンドロメディア 09/06/12 Fri.

 雪風シリーズ新刊。
 
 10年ぶりということになるらしい(私がグッドラック〜を読んだのは3年ばかり前だが)。早めに復習を済ませておかねば。

零とブッカー

 どうでもいいけど、多田由美とオノ・ナツメの絵って似てる?ような気がする。手元に多田由美の漫画しかないから照合できない。
 なんにせよ、積極的に真似るような絵でもないなと思った。↑では真似てる範疇にも入らないとは思うけど。

 描いてる本人的には意識したんだよ!!みたいな効果がいかに希薄であるのかの生きた証人として。みたいな。


レス

 >>異世界ファンタジーと学園モノ それはラノベの永遠のテーマ。多分TTRPGとかPBM(蓬莱学園とか)のプレイヤーから読者が、GMから作者(水野良とか/賀東招二もそんな感じ)が多く誕生した以上当然の帰結かもしれないが。

 いや、理屈は分かるんだ。だけど、実際、ブラックロッドとか鉄コミュニケイションとか、本格SFで説得力ある作品を書く書き手の遺伝子だって混入してるじゃないか!どうして広がらないの??みたいな、やや理不尽な嘆き、そういう話。
 まあ、なんでしょう、ラノベの主要読者層的に受けるジャンルは限られてくるのでしょうね。

ロボット 09/06/09 Tue.

 サクラダリセットというラノベが出ておりまして。
 とても似たようなタイトルの漫画を5月に描いていた私は、あ、被った、と思った。私は何かと被らないようにという点をかなり重要視してタイトルを付ける人ですが、今回は考える時間がそんなになかったこともあり、やらかした。

 この文脈で書くのも言いたい意味内容が明確になりすぎてどうかなあとは思いますが、私は自分の付けるタイトルがとても気に入っています。自作品の中では唯一高く評価している要素が、絵とかストーリーとかコマ割りとかではなくタイトルであるといっても過言ではない。
 他が屑同然でもタイトルだけは面白そうな漫画を。

 それは、言い過ぎ。


櫻田恵梨沙

 5月は無口キャラなどというギャルゲエチックな属性のキャラを出しましたが、人生最萌えの無口キャラは森薫の漫画「すみれの花」(原作:福島聡)の主人公であるところの女子高生・前園すみれです。


 話が前後しますが、サクラダリセットは、ええと、スニーカー文庫の紙の匂いがとても懐かしかった。
 話も、地方都市(っぽい)が舞台の時間モノということもあり、妙に懐かしかった。とりあえず上手く出来てはいた。
 でも流行のラノベって異世界ファンタジーと学園モノ(あるいはその両方)以外にないのかしら。と思いました。

殺人鬼U 09/06/08 Mon.

彩色前

 トップ絵変更。人に媚びるなら幼女か巨乳ですよ、と、誰かがささやいたので。


 早川SF文庫が「少し背の高い版型の文庫本を織り交ぜる」という気違い沙汰としか思えない刊行方針を取るようになっていたようです。
 やめて。後生だからやめて。生き延びることができなくなりたくないからやめて。
 ズラッと本が配列されている中で、少し背の高いものが交じっていると非常に見栄えが悪いし物理的に痛みやすくもなるという歴然たる事実は、ジャンプコミックスとマガジンコミックスを並べて本棚に置いたことのある人なら誰でもご存知かと思いますが、同じレーベルから刊行されたもので版型がバラバラだなんて!!発狂してしまうよ。日本の安全神話は跡形もなく見る影もなく崩壊した。
 背の高い早川は一切買わないという戦略に次いで、本棚の中の1箇所に背の高い版を集中させるという次善の回避戦略が考えられますが、基本的に作者順のソートがなされているマイ本棚の青背ゾーンの配列に致命的な綻びが来る様は想像するだに地獄絵図です。嗚呼地球が泣いている。

ハーモニー 09/06/04 Thur.

 人に媚びた絵とは何か考えてみようぜ月間。

長門有希

 注意する。
・目のふちどりの線は太い。目鼻口のバランスは言わずもがな。
・指の関節は1つ!でもグーにするとどうなるのだ?
・カケアミとかたぶん頑張らない方がいい
・描きながら「ハッッ萌えとか言ってるヤツ死ねよ」とか思わない
・服のしわなんかは色々様式がありそうだ。

・引き続き表情などを研究していきたいと思います。


 「最近眼がよりいっそう悪くなった気がする」
 「2chのやりすぎか」

 死んでくれ。

 眼を悪くする要因としてPCと漫画が考えられるが、控えめに言ってもPCディスプレイを見ている時間対漫画を描いてる時間は1 : 5くらいだろうと思う。
 そしてそれらと相関がありそうな要素として、最近絵を描いている時の姿勢が著しく悪いということに思い至る。細かい部分を気合入れて描こうとすると原稿用紙と眼の距離が過剰なまでに近くなり、バランスを崩している気がする。

 (ペンで)いい線を引きたかったら体を鍛える必要がある。ひげなし先輩のことばが私の中で重く響いていた。そして私の体はといえば少し走っただけで2日続く筋肉痛であった。

利己的な遺伝子 09/06/02 Tue.

おっさん

 やや前に書いた少しイイ感じのヤツ。gimpのトーンカーブで補正。マジで便利ですね。
 でも実際のところは、これの元絵のレベルでは少し色のノリが薄すぎるのではないかということに最近ようやく思い至った。5メートル離したらあまり色の判別がつかなくなるようではなあ。実際スキャナーで色が拾えてない部分もかなりある。
 また理想の肌色を発色させるインクを探す長い旅が始まるのか。


 マウスがブッ壊れたらしく不快な思いを余儀なくさせられています。こんな夜は独り酒でも飲むしかない。最近はそれしかやってない。

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